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Radiohead 『ザ・ベスト・オブ』
富山優子 (作曲、歌、ピアノ)
初めまして。作曲の富山優子(とみやまゆうこ)と申します。ピアノ弾き語りのスタイルでライブ活動をしています。四谷天窓コンフォートさんには、いつもお世話になっています。
今回、佐奈枝さんからバトンを頂き、何について書こうか悩み抜いた結果、Radioheadのベスト盤を選びました。「人生の一枚」を問われているのに2枚組のベスト盤を持ってくるとは何事か、と思われるかもしれませんが、このベスト盤を聴いてからRadioheadが私にとって最も重要なバンドの一つになりました。それ以前に聴いていた「KidA」は正直なところ、あまりよくわかりませんでした。アニメーションとコラボレーションをする側面が強く出ていた当時の作風が自分にとってなじみが薄かったのと、アルバムの変遷を知らないレディへ初心者にとっては、多用される電子音が唐突に聴こえてしまったのだと思います。
しかしそんな戸惑いも名曲ぞろいのベスト盤を聴いて一変、世界中のRadioheadファンと同じように彼らのとりことなってしまったのです。始めに最も好きになった曲は「Knives out」で、近代フランスの作曲家G.フォーレの「夢のあとに」を想起させるような美しい和声進行を奏でるエレキギターに乗って切々と歌われるトム・ヨークのボーカルは涙なくして聴けません。これは、クラシック音楽を勉強してきた自分を、ロックの世界へと優しく誘ってくれた橋渡しのような一曲ともいえます。アルバムを聴き進めていくうち、Radioheadの感情が音楽のかたちをまとって次々に耳へと飛び込んで来て、忘我のまま聴き終えたときには心なしか浄化されているような、そんなカタルシスを味わいたくて未だについつい再生ボタンを押してしまいます。
アルバムリリースのたびに音楽スタイルを変え、ストイックな姿勢を崩さず常に新しい可能性を追求してきたRadioheadは、4年の歳月を経て2011年2月にニューアルバムをデジタル配信しました。日本でのCD盤は同年4月6日に発売を予定しており、それを追うように、わたくし富山優子も4月15日に初のフルアルバムをリリースします。(わーい!)
今回のアルバムは全曲にわたり徹頭徹尾、ピアノ弾き語りという最小限にシンプルな編成による24曲入り2枚組の構成でありまして、これはJ.S.バッハの平均律クラヴィーア曲集をチョッピリ意識した或る意味ストイックな内容です。4月15日からAmazonで販売を予定、ライブ会場では先行発売を予定しています。iTunesStoreやmyspaceでのデジタル配信も同時に始めます。クラシック音楽に根ざしたヨーロピアンな音像と、Radioheadに習った実験精神の両面をお楽しみいただけると嬉しいです。富山優子webサイトは、http://www.tomiyama-yuko.com/です。いつでも最新情報はこちらでチェック出来ますよ。
四谷天窓さん、これからもどうぞ宜しくお願い致します!皆様も是非、ライブにも遊びに来てくださいね。
富山優子
http://www.tomiyama-yuko.com/
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