ーソロでの活動の他、様々なアーティストのレコーディングやライブ現場でのピアノ・キーボードプレイヤーとして活躍している鈴木大さん。まず、鈴木さんのピアノ人生の始まりから現在までの経歴を教えてください。

「愛媛の田舎町で生まれ育ちました。4歳くらいからピアノを習い始めましたが、高校まではエレクトーンも並行してやっていて、当時の将来の夢はエレクトーンプレイヤーになることでした。大学進学を機に大阪や東京にレッスンに通い始めて、今まで知らなかった様々な音楽に出会う中、もっと広い範囲で音楽を勉強したいという思いが強くなりました。鍵盤はピアノだけになり、作曲やコードプログレッションの勉強を始めました。音大進学で上京。大学では作曲を専攻していたので様々なアレンジの勉強をしましたが、今思うと、やはり僕は譜面を書くよりも、ピアノを弾くことが一番好きだったような気がします。結局いつもピアノばっかり弾いてましたね」

ーそんな鈴木大さんがどんなきっかけでサポートミュージシャンとして活動するようになったのですか?

「大学在学中よりちょこちょこ作曲や演奏のお仕事をもらえるようになって。でも一番大きかったのは、あるレコード会社のオーディションを受け、ファイナリストに選ばれた事でした。長いオーディション期間の中で、様々なアーティストやミュージシャンの卵たち、そしてスタッフの方々と出会うことができ、そこから少しずつ色んな世界に繋がっていったという感じです」

ー今まで関わってきた作品やライブの中で、特に印象に残っている経験や楽曲はありますか?

「沢山あって思い出すときりがないですが(笑)、大学時代からなのでもうかれこれ20年くらいかな、公私共々お世話になっている平井堅さんとの出会い、そして彼とのライブは、紛れもなく自分のピアノスタイルに大切な核を生み出してくれたと思います。ピアノ一本・歌一本、で全てを見せるにはどうすればいいのか。最初は何を弾いても全然ダメでしたね(笑)そんな自分に常に挑戦の場を与え続けて頂いている事、今も昔も変わらず心から感謝しています」

ー作曲をする時はどんな環境で(きっかけで?)曲が生まれる事が多いでしょう?作る上で気に留めている事はありますか?大事にしている事は?

「人によっては、決まった場所で決まった時間に缶詰状態で書くのが良いと言う方がいますが、僕は完全にその真逆。移動している時に突然閃くタイプです。特に一番出やすいのは、新幹線の中。車窓の風景が高速で次々に変わるのが作曲ツボを押すらしく。必ず新幹線に乗る時はボイスレコーダーと小さな五線紙を忍ばせるようにしています。あと最近はよく歩きますね。散歩ばかりしています。仕事先にも歩いていく。その途中に閃いた曲も沢山あります」

ー2011年4月から開催している四谷天窓.comfortでのソロライブ「空音発表会」。はじめるきっかけ等教えてください。

「30代後半にさしかかったころ。これまでの人生と、今後の人生を、深く見つめなおす期間に突入しました。人生の岐路に立ったというか。本当に自分がやりたい音楽はなんだろう?自分を生きるって?…というような自問自答を何度も何度も繰り返しながら到達したのが、ソロ、だったんですよね。もちろん様々なミュージシャンと一緒にセッションをする事も楽しいのですが、幼い頃から「自分で作った音楽=自分一人で演奏して出し切る」という気持ちがとても強い人で、それを素直に認めてやったら、急に楽になったんですよ。作る=弾くが、完全にワンセットであることが自分を突き動かす力になっているんだって。だから一人きりでどこまでできるのか?というライブシリーズを始動したんです。もちろんプレッシャーで押し潰されそうな時もあるけど、それも楽しみながら毎回構築しています」


ーライブでも多用される鍵盤ハーモニカアルバム「Window」「ForeverChristmas」、“空から降ってくる音楽”“空に向かって放つ音楽”とゆうキーワードで発表された「空音〜soraoto〜」、そして今回発表されたNEW ALBUM 「Solo」。今回の作品は完全にピアノのみの作品とゆうことで、よりライブに近い印象を感じました。今回のアルバムの制作や、収録曲に対する思い入れを教えてください。

「今回、生まれて初めての完全ピアノソロアルバム『SOLO』を作ろうと思ったのは、何を隠そう、四谷天窓.comfortさんでのライブシリーズがきっかけ…よりほかありません(笑)本当にありがとうございます。感謝感謝です!約二年間、定期的に開催した「空音発表会」の中で、一曲一曲大切に紡ぎ出した曲たちを一枚にまとめたいと思いました。アルバムのコンセプトは既にライブで完成されていたので、お陰様で迷うことなくレコーディングできました」

ー3/15、16のアルバムの発売記念2DAYSライブ。どんな2日間に?

「とにかく、まずはニューアルバム『SOLO』のナンバーを弾きまくります!プラス、最近直面した新しい感動もあったりしつつ、さらなる新曲もお届けしたいなと思っています。今回は夜の会と、昼の会の2DAYS。それぞれの雰囲気を違った内容で楽しみたいと考え中てす」

ーブログを拝見するとお料理が得意なんだなぁと思うのですが、得意な料理やレシピ、はまっているものなどありますか?

「料理はもともと好きなんですが、何もかも忘れて集中できるからいいんですよね。歳をとるにつれて、やはり健康について考えはじめまして…。最近はなるべく野菜中心の生活を送るように心がけています。しかし、絶対に酒はやめませんから!(笑)酒好きなんですよ…。その分、食べる物はなるべく健康的なものにしようかと。結局その成果は出てるんだか出てないんだか、イマイチわからないんですけどね(笑)」

ー今後やってみたい事などありますか?

「全編カバーだけのライブ、もしくはアルバムを作ってみたいな…と。実はこれ、結構真剣に考え中です。お楽しみに」

 
インタビュー: 副島桂子 (四谷天窓.comfort)
 
 
音波マガジン
2013年3月号表紙
鈴木大
(すずき・まさる)
 
 1971年愛媛県生まれ。平井堅、清水翔太、中島美嘉、ケミストリー、CODE-V、sowelu、チャカ、GAKU-MC、などといったアーティストのレコーディングやライブ現場でのキーボードプレイ。中でも、平井堅とはデビュー前からの親交も厚く、作詞・作曲面においても楽曲を提供。平井堅がライフワーク的に展開しているライブシリーズ「Ken's Bar」でも初回よりピアノを担当。現在平井堅バンドのバンドマスターを勤める。
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