ー今回のインタビューは岩男潤子さんと共に、プロデューサーでありベーシストの川村竜さんにもお話を伺わさせて頂きます。まず、岩男さんは歌手でもあり声優でもある事が魅力の1つだと思うのですが、並行しての活動はバランスが難しかったりしますか?
岩男潤子(以下:潤)「私はどちらにも100%の力を注いでやってきましたし、歌ってきた事がお芝居に活かされて声優に繋がってますし、その逆もあって、演じた役によってこれまで自分が知らなかった歌声が身体の中から出てくるというか」
川村竜(以下:竜)「彼女はインプットが2つあって、それを1つのアウトプットで出してくるっていうのがすごく魅力的で。『Anison Acoustics』は11曲に11通りの歌い方をしてくれるというか、詞の内容に沿った演者になってくれるんですよね」
ー声優さんってお仕事は、役に対して全部声が違いますもんね。それを歌でもできると?
潤「そうですね、そのキャラクターの頭身とか輪郭によって声を変えて私は演じているんですけど、今回のアルバムもアニメのストーリーの事も含めて演じる事に集中していたら、自然と11通りの歌い方を楽しめましたね。オリジナルアルバムだと、あんまり声を作ってレコーディングすると違和感が残るかなって、チャレンジできない部分があったんですけど」
ーオリジナルアルバムと聴き比べてもまた面白そうな?
竜「そうですね。面白いのは、最近オリジナル曲を歌っていても、今回のアルバムの効果か、演奏に合わせた歌い方っていうのをどんどんするようになってきて、やっぱ25周年にしてまた進化をし始めてきている、恐ろしい人だなと」
ー25周年ですもんね。'86年デビューから活躍されてて、今の若さの秘訣をお聞きしたいのですが。
潤「(笑)40代になってから、それを尋ねられる事が多くなったんですけど、デビュー前からずっと続けてきた事があって、1つのボイストレーニングの課題は欠かさず、毎日同じものを声に出して読んだり歌ったりしてるんですね。自分の年齢よりもずっと若い女の子を演じたり動物のキャラクターを演じたりするので、おばあちゃんになってもその声がいつでも出せるようにと、声をキープしようという事が歌声や音域にも繋がったり、若さの秘訣というか(笑)いつでも10年、15年前の役が演じられるように、っていうのが秘訣でしょうか」
ーあの、お酒もお好きなんですよね?
潤「はい、好きです(笑)」
竜「即答でしたね」
潤「好きですけど、20代の時とは違って今の自分と相談しながら、けじめじゃないですけど、飲む機会はグッと減ってます。よく酒豪とか言われるんですけど、そんなじゃないと思います(笑)」
ー何でもかんでも飲むんじゃなくて、このお酒を飲もう、っていうのが決まってくるんじゃないですか?
潤「そうそう、そうですね、生意気ですけど。やっぱりライブを成功させて、今日はこのワインを飲もうとか大好きな日本酒を飲もうみたいな感じで」
ーお勧めのワインとかは?
潤「えー実は全然詳しくなくて。好きなんですけど」
竜「今ちょっとマネージャーが調べておりますが」
潤「そう、やたら詳しいのここだけ(笑)」
竜「ここだけってどういう事?」
マネージャー岩男義明(弟)「いやいや全然分からないです。銘柄関係なしに飲みますから」
竜「マネージャー、インタビュー中なんで喋らないでもらえますか?」
潤「(笑)でもあの、四谷天窓.comfortさんオリジナルのワインを戴いたらすごくおいしかったので、思わず買って帰りました。お家にお友達招いた時に飲もうと思ってとっていたんですけど、結局1人で飲んじゃった(笑)」
竜「.comfortワインをインタビューにいれてくるあたり、腕を感じますけどね」
ー(笑)岩男さんのライブ本当に楽しいですよね。普通のライブじゃあり得ない「打上げタイム」があったりするじゃないですか。そこでやっぱりいいなあと思っているのが、竜さんの絡みなんですが。
竜「そうですね、8割が僕を見に来てますからね」
潤「(笑)でも竜さんが本当に打上げの時間を盛り上げてくださるので」
竜「お客さんを交えての打上げといい、楽屋ご招待といい、四谷天窓.comfortでしかできない空間が今作れている事の幸せはありますよね。彼女のパーソナルな部分の魅力っていうのをもっと知ってもらいたいですし、MCも含めて1つのショーとして楽しんで頂きたいなと思った時に、岩男潤子さんのこの妙竹林なところが非常に素晴らしいなと思ってます。この距離感といいね。いい緊張感を持ってパッと楽屋から出てきてるよね、.comfortだとリラックスして臨めてるので」
潤「そう、ここはいつも早い時間に1人でピアノを弾く時間も作って頂いてるので、練習のお部屋をそのまま観て頂くというか、私のお部屋にようこそという気持ちで皆さんをお迎えできる場所です」
竜「楽屋もね、過ごしやすいですしね」
ー「楽屋ご招待」は、どんな事をされているんですか?
竜「そう、気になるんです。僕いつも見れないので」
潤「抽選でご招待したお客様に、まずはいかにこの四谷天窓.comfortさんの楽屋が素晴らしいかをご説明して。外からの窓の光、座り心地の良いソファー、鍵盤が用意されていたり、加湿器を備え付けてあったり、すぐに冷たいお水が飲めたり、着替えをする場所もカーテンが用意されていたり、細やかな気配りというか、スタッフの皆さんの愛情をすごく感じられる楽屋でしたので」
竜「.comfortっていう名前はよく付いたなってくらいコンフォータブルな空間で。楽屋でちょっと不安になった時にそこに鍵盤があるだけでだいぶ違うじゃないですか。細かいところなんですけどね、それが良いライブに繋がるっていう」
潤「そのあとに皆さんから1つずつ質問コーナーという感じでそれにお答えして。急なので皆さん動揺されるんですけど。その後ソファーでツーショットをポラロイドで撮影してそれをお渡しして、握手して、あっという間に時間になってしまうんですけど」
ーこれまでの質問コーナーの中で、答えづらい質問はありました?
潤「理想の男性は?と聞いてくる方もいまして(笑)」
竜「なんて答えたんですか?」
潤「なんて答えたかな。まぁあの、忘れました(笑)いや忘れてないけど、恥ずかしいので(笑)あと、恋愛とかする時間あるんですか?とか」
竜「結構突っ込んだ質問されてるんですね(笑)」
ーではここで、あらためて同じ質問に…は答えて頂けない感じですかね?
潤「(笑)」
竜「そういうインタビューをやっぱりみんな楽しみにしてるんじゃないですかね」
潤「あのーそうですね(笑)どうしよう。私、エヴァンゲリオンに出演してるんですけど、その中に登場する洞木ひかりちゃんという委員長の女の子の理想と同じで、優しい人が好きです」
竜「そうじゃなくてあの、もっと具体的な。それで逃げようったってそうはいかないですよね(笑)」
潤「(笑)」
竜「これ、マネージャーが止めるとこですけどね。芸能人で言うと誰になるんですか?テレビないですから言えない?」
潤「テレビありますけど(笑)よく笑われるんですけど、リチャード・ギアが大好きなんです(笑)」
竜「ふざけた女ですね(笑)すみません」
潤「日本の芸能人の方だと、西田敏行さんが小学生の頃から好きなんです。もっと幼い頃は、キャンディ ♥ キャンディのアンソニーがいいとか言ってた時もあります。共通点は優しいイメージ、クールな人というよりは常に笑顔が素敵な人」
竜「年収とかどのぐらい必要ですか?」
潤「もう全然(笑)もうあの」
ーおふたりって、1組のコンビみたいな雰囲気ですよね。岩男さんにとって竜さんってどういう存在ですか?一言で言うと。
潤「竜くんですか?うーん」
竜「重たい?」
潤「第一印象のシャイでおとなしくてっていうイメージからどんどん変わって、色んな引き出しを持ってる方なんだなと思って。会ってる回数は一年の半分以上だと思うんですけど、何だかおもちゃ箱みたいな方です」
ー竜さんは岩男さんに対して一言で言うと?
竜「スリルがありますよね、一緒に居て。何が起きるか分からないっていう。トークでもそうなんですけど、音楽でもそうだし、毎回歌い方を変えてきたり」
潤「初めて聞いた(笑)」
竜「スリリングな女です。いや本当に、総じて面白い人です」
潤「私も思います。竜くんは総じて面白い方です」
竜「パクリじゃないですか」
ー人柄ですよね。お客さんも感じているでしょうね。
竜「人柄です、本当に。裏表が本当に無いんですよ。もうちょっとあったら良いんじゃないかなってぐらい。バンドメンバーとの付き合い方も、もう本当に家族のような」
潤「ツアーでは本来苦痛な長い移動距離に、車の中でそれぞれの時間があっても不思議じゃないんですけど、常にみんなが会話をして一緒に食事をする、川村竜さんはそういうことを大事にしているバンマスなので、どんどん絆が深まっていって、それがレコーディングにも本番にも毎回活かされるんですよね」
ー若いバンドにとってはお手本の様なお話ですね。若いバンドに対して思う事はありますか?
竜「若い人達のバンドのエネルギーを魅力に感じる事が多くて、僕たちみたいにスタジオミュージシャンをピックアップして集めたバックバンドはクオリティ的には高いかも知れないですけど、バンドの絆っていう面に関しては若い時から組んでたバンドの人達のエネルギーっていうのはまた異質なものなんですよね。だからそういうものも出してあげたいっていうのはあるので、演奏さえ上手ければいい、リクエスト通りに弾ければいいっていう事のさらに先に進んだところを彼女にちゃんと提供したいですね。バンドで頑張っている人達にとってもすごく刺激になる存在でいて欲しいですし。色んなアンテナを張っていたいですね」
ーアンテナを張っているという事で、2012年以降やってみたい事を教えて頂けますか?
潤「ずっと自分の得てきたチャンスは全部前向きに捉えてやってきたつもりなんですけど、ちょっと振り返ってみた時に、やっぱり守りに入った演技だったり歌い方をしてきた事も多かったんだなあって感じたんですね。これが岩男潤子なんだろうなと思ってる方を、今年は驚かせてみたいなというか。まだこういう歌い方も持っていたのね、というか。それこそ自分も驚きたいんですよね。内側に秘めた想いやエネルギーが沸々と沸き起こっているので、またスタートして行きたいと思っています」
竜「モヒカンとかにしちゃえばいいんじゃないですか。みんな驚きますよ」 |
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| インタビュー: 高橋慎一郎 (四谷天窓) |
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音波マガジン
2012年3月号表紙 |
岩男潤子
(いわお・じゅんこ) |
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中学2年の冬、歌のオーディション合格をきっかけに単身上京。86年新メンバーとして「セイントフォー」に参加。グループ解散後、童謡歌手や教育番組「小学6年生理科 はてなサイエンス」のお姉さん。カゴメ劇場や日本生命ミュージカル「赤毛のアン」にステラ役で出演。94年NHK総合「モンタナジョーンズ」メリッサ役で声優デビュー。声優として代表作に「新世紀エヴァンゲリオン」洞木ヒカリ役、アニメ「吉宗」姫役、「カードキャプターさくら」大道寺知世役、他多数に出演。
→http://www.junkoiwao.jp/ |
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| 写真左から : 岩男潤子、川村竜(プロデューサー) |
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